ロードレース・エリート(男女)、パラサイクリング・タイムトライアル(男女)レポート
晴天の下、沿道に多くの観客が詰めかける中、エリート男子は兒島直樹選手(チームブリヂストンサイクリング)が独走優勝、エリート女子は渡部春雅選手(明治大学)がゴールスプリントを制しました。
ロードレース・エリート男子
エリート男子は、八王子市の富士森公園から調布市の武蔵野の森公園前・スタジアム通りまでの72.6kmのコースで争われました。このコースの前半は、1964年、2020年それぞれの「東京五輪」で使用されたコースを組み合わせた設定となっています。
青空が広がり、日差しに暖かさも感じ始めた午前9時10分、国内トップチームや大学生からなる26チーム111選手が出走、序盤から各チームがアタックを仕掛けるも、なかなか逃げが決まらない展開が続きます。
しかし、中盤の多摩市付近で現全日本ロードレースチャンピオンの山本大喜選手(JCL TEAM UKYO)と兒島直樹選手(チームブリヂストンサイクリング)が飛び出し、集団から20秒前後のリードを奪います。
ところが終盤、山本選手が落車。単独先頭となった兒島選手が、迫り来る集団を3秒差で振り切ってゴールラインに飛び込み、優勝をつかみとりました。
兒島選手は「逃げ切れると思っていなかったので、すごくうれしいです。2人だったら行けるかなと思ったけど、山本選手が落車してから1人で厳しかった。沿道からの応援が力に変わりました」と喜びを語っていました。
結果
優勝:兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)
2位:岡本隼(AISAN Racing Team)
3位:佐藤健(AISAN Racing Team)
敢闘賞:山本大喜(JCL TEAM UKYO)
地元賞:兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)
ロードレース・エリート女子
エリート女子は、スタート・ゴール地点は男子と同じながら男子のコースに設定されている序盤の周回部分を除く49.8kmのコースで行われ、23選手が出走しました。
レースが進むにつれて集団の人数が絞られ、是政橋付近では先頭集団は7人に。最後はゴールスプリントを制した渡部春雅選手(明治大学)が優勝しました。
結果
優勝:渡部春雅(明治大学)
2位:植竹海貴(Y’sRoad)
3位:⼩林あか⾥(弱虫ペダルサイクリングチーム)
敢闘賞:植竹海貴(Y’sRoad)
パラサイクリング タンデム タイムトライアル
日本勢の活躍が期待されたパラサイクリングでは、視覚障がい選手によるタイムトライアルが行われ、男女ともに世界のトップ選手が出場しました。2人乗り自転車を意味する「タンデム」は、パイロットと呼ばれる晴眼者の選手が前、ストーカーと呼ばれる視覚障がいの選手が後ろに乗り、2人の力を合わせて走ります。
コースは、味の素スタジアムと隣接する武蔵野の森公園をつなぐ周回設定。国内パラサイクリングレースでは珍しい市街地の公道が舞台です。
6組が出場した男子はコース4周・24.4kmで争われ、ポーランド代表(カロル・コピック[ストーカー]/マルシン・ビャウォウォツキ[パイロット])が後続を4分近く引き離す好タイムで優勝、男女通じて唯一日本代表として参戦した木村和平選手・三浦生誠選手のペアは、2位に入る健闘を見せました。
コース3周・18.3kmで争われた女子は3組が出場。こちらもポーランド代表(プティラ・ドミニカ[ストーカー]/ウォシキェヴィチ・カミラ[パイロット])が2位以下に2分以上の差をつけて優勝を飾りました。
結果
男子
優勝:カロル・コピック[ストーカー]/マルシン・ビャウォウォツキ[パイロット](ポーランド)
2位:木村 和平[ストーカー]/三浦 生誠[パイロット](日本)
3位:イリヤソフ・シオブッシュ[ストーカー]/アジゾフ・ムハマジョン[パイロット](タイ)
結果
女子
優勝:プティラ・ドミニカ[ストーカー]/ウォシキェヴィチ・カミラ[パイロット](ポーランド)
2位:イ・ソンスン[ストーカー]/ベク・ソンヨン[パイロット](韓国)
3位:ボンマラート・ワチャロボン[ストーカー]/セータン・オアチャラ[パイロット](タイ王国)